こんにちは。大阪市中央区谷町六丁目にあります、ヤマシタ整骨院院長の山下です。
今回は膝痛について書いております。
患者さまからちょくちょくご質問いただく内容についてお答えしていきたいと思います。
膝の痛みでお困りの方はぜひ最後までご覧くださいませ。
筋トレをすることで膝痛は改善するのか
膝痛にも色々 どんな疾患があるのか
膝痛と一口に言っても色々なタイプの膝痛があります。それらのタイプによってはそもそも筋トレをしないほうがいい場合もあれば、やってもいいけどやり方や負荷のかけ方を考えなければいけないものなどがあります。
そういった観点からも一概に膝が痛いから筋トレをして鍛えて改善、と考えるのは危険を伴うことがあるというのは覚えておいていただきたいです。
では、膝痛の種類にはどのようなものがあるのかをみていくことにしましょう。
関節部分全てにいえることですが、膝を形作っているのは筋肉だけではありません。骨や靭帯、半月板や軟骨、関節を包む膜、膝のお皿など様々な組織で成り立っています。
それらの組織のどこがどのように損傷し膝に痛みが出ているのかによって筋トレができるのか、やるならばどのようなトレーニングがいいのか等が変わってくるということです。
では、今度は膝の疾患や障害にはどのようなものがあるのかをみていきましょう。
・変形性膝関節症
・靭帯損傷
・半月板損傷
・ランナー膝
・ジャンパー膝
・鵞足炎(がそくえん)
・ベーカー嚢腫
・関節リウマチ
・子供の成長期のスポーツ障害(オスグットや離断性骨軟骨炎など)
ざっと挙げるだけでもこれだけの膝痛が起こる疾患や障害があります。
膝痛に筋トレはOK しかし条件付き
では実際問題どの疾患で筋トレがNGかというと、実はNGはありません。疾患や障害別で言えば筋トレを行なっていただいてOKです。
どういった場合に筋トレをするべきではないのかというと、症状がひどい時です。それぞれの疾患や障害で炎症が起こって痛みが強く出ていたり、普段の生活のうえで痛みがあるようであれば筋トレをするのはやめておきましょう。
逆に膝の疾患や障害があっても痛みなく普通に生活が送れているなど、症状が落ち着いているのであれば筋トレを行っていただいても大丈夫だと言えます。
その際に注意していただきたいのは、筋トレの強度や行う際のフォームです。膝の状態が良く筋トレができる状態にあったとしても、やり方や強さを間違えると逆効果になりかねません。
膝が痛くて階段の下りがつらいと訴えられる60代女性患者さま
谷町六丁目にお住まいの膝痛患者さま 娘さまの勧めで来院
膝痛を訴えられて来院された60代女性患者さまのMさん。谷町六丁目にお住まいで、娘さんが当院をネットで検索されお母さんであるMさんに勧めてくださったようです。
両膝ともではありますが、特に左膝が痛いとの訴えで来られたので詳しくお話を伺いました。
10年近く前から違和感から始まり徐々に痛みが出てきたとういMさんの膝。整形外科にかかっておられ、変形性膝関節炎と診断されているとのこと。
50代中頃に始初めて診断され、これまでに膝に注射を打ったり時には溜まった水を抜いたり、リハビリを定期的に受けたりと色々と治療を受けてこられている様子。
今現在も病院のリハビリには行っておられるとのことですが、整骨院で診てもらったら違うかもよという娘さんの勧めもあり当院にご連絡くださいました。
「膝が痛くて階段の上り下りと正座がつらいです」
Mさんのお困りごとは一軒家のご自宅の階段の上り下り、特におりることがつらいとのことでそれが少しでも楽にできるようになればというのがご要望でした。他には、毎朝お仏壇の前での正座も痛いながらにやっているので、それも楽になればということでした。
問診にてしっかりとお話を聞かせていただいた後は検査を行いました。すでに病院にて診断が出てはいるものの当院では局所(膝)だけをみるわけではありません。
体全体の状態を把握するための検査を行います。例え膝だけが良くなっても体自体にゆがみやねじれ、バランスの崩れがあればそれらが原因でまた膝が痛くなってしまうこともあり得ます。
また逆も然りで、体のゆがみやねじれを取り除かなければ膝もなかなか良くならない場合も多々あります。そういったことからも膝の状態を確認しつつそのほかの部分にも着目しながら検査を実施しました。
膝だけでなく体全体をみて施術を行います
そうすると、Mさんには脚のねじれや脚の筋肉のアンバランスさ、また体全体でいうとひどい方の左膝をかばっていることでゆがみが生じていました。
それらがわかったところで取り除いていくべく施術に進んでいきました。膝関節まわりの筋肉が硬くなり動きも悪くなっていたのと、脚自体のねじれを修正するために整体を施しゆるめて軸を揃えていきました。
体のゆがみを正すための整体も行っていきながら、初診時に立てた治療計画に則って進めていきました。それと同時に、 セルフケアや日常生活を過ごす上での注意点などをお伝えしMさんにはご自宅でも頑張っていただきました。
患者さまの頑張りもあり階段と正座が楽になってきました
ご本人の頑張りもあり、少しずつではありますが確実に痛みが和らいできているというお言葉をいただきました。膝の変形自体は残念ながら元通りというわけにいきません。それでも痛みや動きの改善は望めます。
もちろん程度によるので、重症の変形の場合であれば人工関節を入れるほうが良い場合もありますが幸いにもMさんの場合はこちらで対応できるものでした。
現在は病院でのリハビリは行かれておらず、当院での施術のみを行なっている状態です。初診から約3ヶ月経ちますが、以前に比べ階段の上り下りが痛みも少なくスムーズにできるようになったと報告いただいております。
この調子でMさんの膝がもっと楽になってもらえるように引き続きお手伝いさせていただきたいと思います。
膝痛にはやっぱりスクワット?筋トレをするとすればどんなものがいい
膝痛にスクワットは問題なし
先のパートでどのような疾患や障害でも症状が落ち着いている場合は筋トレを行なっていただいても大丈夫というお話をさせていただきました。
膝痛にお困りで筋力を強化することで予防・改善をしたいとお考えの方は、やっぱりスクワットが一番なのかな、とお思いかもしれませんね。
膝の安定性を一番外側で維持してくれているのが太ももの筋肉です。太ももの前や裏側、お尻の筋肉を主に鍛えることのできるスクワットは膝痛を抱えておられる方にピッタリの筋トレと言えるでしょう。
膝痛がある方にピッタリのスクワットですが、スクワットに限らず行う際のフォームがかなり重要になってきます。いくら良い筋トレでもフォームが違っていると余計に膝を痛めかねません。
スクワットを行う際の注意点とスクワット以外のトレーニング方法
ということで、スクワットを行う際の注意点をお伝えいたします。
・足は肩幅か少し広い程度の開きます。
・その際につま先と膝が同じ方向を向くようにしましょう。
・腰を落とした際に膝がつま先よりも前に出ないようにしましょう。
・反動で上げ下げせずに太ももやお尻の筋肉を意識しながらゆっくりと行いましょう。
・終始、背中が丸くならないようにお尻を後ろに突き出すように腰を落とします。
・腰を落とした際、最大でも太ももと床が平行になるくらいまでで結構です。軽く腰を落とすだけでも効果はあります。
・最初から多くの回数をやる必要はありません。無理のない範囲で行いましょう。
5回×1セットや10回×1セットから始めて様子を見ながら少しずつ増やしていくようにしましょう。
スクワットのフォームがきちんとできるかが不安、いきなりのスクワットでは負荷が大きすぎる、そのような方はイスを使って行ってみてください。
・イスに浅く腰かけてください。(イスの高さは股関節が90°に曲がるくらいのものを使用)
・右脚を2〜3秒かけてゆっくりと上げます。
・膝が伸びた状態をキープしつつそこからもう少し脚の付け根から上にあげるイメージで小刻みに3〜5回上下させましょう。(これがつらい場合はやらなくても結構です。)
・あげた時と同じように2〜3秒かけてゆっくりと脚をおろしましょう。
・5回×1セットや10回×1セットから始めて徐々に回数、セット数を増やしていきましょう。
・左脚も同じように行います。
いずれのトレーニングも行った際に痛みや違和感があるようであれば無理をして続けないようにしてください。
最後に
いかがだったでしょうか。膝の痛みにも色々な疾患や障害があり、筋トレをする場合でも症状の程度を見ながら行う必要があります。
何度もお伝えするように、痛みのあるときは無理をする必要はありません。膝の調子がいい時に正しいやり方で無理なく行うことが改善への早道です。
早く良くしたい、なんとか元通りに生活したいと焦るお気持ちもわかります。そのためにはやはり地道にやっていくのが確実です。
もし膝痛にお困りで、ご自身の膝の状態がどのようなものなのかをお知りになりたい方はいつでもご相談ください。もちろん、膝の各疾患や障害に対しての施術も行なっておりますので併せてご相談くだされば全力でサポートさせていただきます。
(監修:柔道整復師 山下 暢士)
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