骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷にのみ健康保険を取り扱っております
当院では「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」、いわゆる外傷(ケガ)に対しての治療のみ健康保険を取り扱っております。
※骨折・脱臼に関しては、医師の同意が必要ですが、応急処置は可能です。
業務中に負ったケガや通勤中のケガに関しては労災扱いになり、健康保険は適応されませんのでご確認ください。
ケガの治療について
当院は完全予約制ですが、捻挫・肉離れ・挫傷・打撲・骨折・脱臼に限り急患対応させていただきます。
受傷された場合お電話で「ケガをしたので今から受診したい」とお伝えください。
しかし、その時の予約状況等により来ていただいてすぐさまケガの処置や治療に当たれない場合も出てくこともあるかと思いますが、なるべく早急に対応できるように調整いたします。
※もちろんケガの状態(重症度)等を考慮し優先順位を決め予約枠の時間調整を行います。
健康保険が適用される外傷(ケガ)の種類と治療方法
捻挫
捻挫とは、骨と骨を繋ぐ可動部関節周辺部位の損傷、関節を包む関節包や骨と骨を繋ぐ靭帯及び軟部組織を損傷した状態のことです。
関節が、本来動く範囲を超えて動いてしまった場合、関節まわりの軟部組織の損傷は起こります。
多くはその損傷のため患部に痛みや腫れ、熱感や発赤等の炎症症状が出現します。
理論上、関節がある部位なら場所を限定せず全身に起こりうる可能性があります。
しかし現実的には捻挫を起こしやすい関節とそうでない関節があります。
ギックリ腰やムチウチの一部は、それぞれ腰椎や股関節、頚椎を捻挫した状態の場合が多いです。
捻挫を起こしやすい場所…足首・手首・首
捻挫を早期に治すには、受傷してからどれだけ早く適切な処置・施術をするかにかっかっています。「ちょっと足をくじいただけ」とか「腰がピキッってなったけ」、「けどまぁ大丈夫だろう」というのが、症状を悪化させたり、治りにくくさせたりする原因です。
また、捻挫をきちんと治さなかった場合、その関節は以前よりも捻挫を起こしやすくなります。そのような関節があると、身体自体も歪みが出てくるので、慢性的な肩こりや腰痛などの症状を引き起こす可能性もあります。 少しでも関節部分に痛みが出たら、なるべくすぐに受診するようにしてください。
捻挫と一口に言っても重症度により三つに分類されます
1度(軽度)の捻挫
- 靭帯の一部が瞬間的に伸ばされたのみで靭帯の損傷は少ない。
- 痛み・腫れは軽度で内出血はないか、あっても軽微。
2度(中度)の捻挫
- 靭帯の部分断裂。痛み・腫れ・内出血・関節の不安定性も出現。
3度(重度)の捻挫
- 靭帯の完全断裂。受傷後の痛み・腫れが強く関節の不安定性も強く感じる。
- 痛みにより歩行困難となる。場合によっては手術適応となる。
当院ではこんな方が受診されました
Case1.右横足根関節捻挫
この患者さんの場合、写真をご覧いただく限りではひどい内出血を起こしているので、上記分類でいえば「こりゃ重度でしょ!」とお思いかもしれませんが、実は中度の捻挫です。その原因は、この患者さんが普段から服用されている『ワーファリン(ワルファリンK)』という薬の作用によるものなのです。この薬は血液をサラサラにして固まりにくくする(血液凝固阻止)作用が強力で血栓塞栓症の予防や治療に用いられており、この患者さんはこの薬を服用されていたので内出血したところが固まりにくく(止血されにくく)なっていたため写真のような状態になってしまいました。
ですが、問診の際に持病があること、それに対して薬を飲んでいることなどの情報はしっかりと把握できていたので、これだけ内出血がひどくても、患者さんに不安を与えることのないようにちゃんと説明をし納得してもらうことができました。
捻挫自体はそこまでひどい状態ではなかったですし、治療計画に従ってきちっと来院していただいたおかげでしっかりと治すことができました。
問診時に病気や薬のことを把握できていなければ、適切な説明や処置ができなくなってしまいます。
治療はもちろん大事ですが、それと同じかそれ以上に問診というものを重視していますので、こういった怪我に限らずどんな症状の場合でもしっかりと問診をして、一人ひとりのその症状を的確に見立てて適切に治療していけるように全力で取り組んでおりますのでご安心下さい。
Case2.右足関節内反捻挫
この患者さんは、出勤しようと朝自宅を出た途端に怪我をしてしまうという、何ともついていない一日の始まりとなってしまった方です。大変お忙しく仕事をされている方なので休めるわけもなく、怪我したその足でなんとか出社され、その後すぐに来院されました。この方は、受傷後すぐに適切な処置ができたのでスムーズに快方に向かい治癒しました。
自己判断で放っておくと後で大変なことになってしまうかも!!
こんなこと思い当たりませんか?
- 学生時代、部活中に足を挫いたけどそんなに痛くないし動けるから放っておいた。でも、よくよく考えたら同じ側の足首を何回か捻挫してるなぁ
- ヒールを履いている時に捻挫して、ひどくないから自然に治ると思っていたけど一ヶ月経ってもまだ痛い・普段は痛くないけどふとした拍子に痛みが出る・痛みはないけど常に違和感がある
上記のような体験や思いをした方は意外と多いんじゃないかと思いますが、いかがでしょう?
よくあるパターンが「軽く捻っただけやから(あくまでも自己判断)と、放っておいたはいいが1~2週間経っても痛みが引かずに、そこでやっと医療機関を受診する」というものです。
捻挫などの怪我にだけでなく、ギックリ腰や寝違い・スジ違いで同じような思いをされた方も多いんではないでしょうか?
当院の患者さんには常々お伝えしていますが、治療開始は受傷してからなるべく早い方が断然治りも早いですよ!
捻挫・打撲・挫傷・肉離れ・ギックリ腰・寝違え・スジ違え・その他の急性のケガや痛み、何でもそうですが放っておいて治ると思っていて治らなかった場合、時間が経てば経つほど治りにくくなったり治るまでに時間がかかってしまいます。なので、勝手な判断で放っておくのではなくなるべく早く治療が開始できるように努力してくださいね。
肉離れ
筋肉の損傷はレベルにより筋間損傷、部分断裂、完全断裂などに分類されます。肉離れの場合は筋膜や筋線維の部分損傷と言えます。ただし定義の詳細は文献等によって異なります。スポーツをしている最中に起こりやすく、筋肉が収縮している時に強制的に引き延ばされることによって起こることが多いです。しかし、「スポーツなんかしていないから私には関係ないわ」と、思ったそこのあなた!そんなことありませんよ。肉離れは日常生活の中でも大いに起こり得るケガの一つです。
- 買い物帰り、横断歩道手前で信号が点滅しだした際に渡ってしまおうとして急に走った時にふくらはぎや太ももの裏に急激に痛みが走った
- 普段全く運動をしないのに気が向いたので自宅マンションの階段をダッシュで駆け上がった時に太ももに急激に痛みが走った
など誰もがやりそうな何気ない日常生活動作により起こることがあります。
上記のことからもおわかりいただけるかと思いますが、肉離れ“静”から“動”に移行した際に起こりやすいケガの種類のひとつです。
肉離れはクセになる!は、ある意味本当です
肉離れも、捻挫と同様に受傷後なるべく早期に施術を開始した方がより早く治ります。
「筋肉痛みたいな感じだし、たいしたことはないだろう」「ちょっと痛いけど普段の生活にそんなに支障はないし大丈夫だろう」と、たとえ軽い肉離れでも何もせず放置していると、肉離れを起こした筋肉は次は以前より弱い力でも肉離れを起こしやすくなり、その肉離れの程度もひどくなっていきます。
少しでも筋肉部分に痛みがある場合は、なるべく早く受診するようにしてください。
特に高いレベルで競技をされている方、クセになってしまうと厄介ですよ~!
打撲
スポーツや日常生活などで、身体の一部を何かにぶつけた際などに起こります。初期には内出血や炎症による患部の腫れ、及び発熱を起こし、熱がおさまった後でも患部に負荷がかかったり、振動を与えたりすると痛みが出ることがあります。受傷の程度や体質によっても違いが出ますが、軽傷の場合は1週間ほどで治ります。
軽い打撲の場合は自宅でまず患部を冷やし、シップ等を少しひっぱりながら貼って圧迫しておくとすぐに治癒します。
かなり腫れがある、ズキズキ痛む等の症状がある場合または関節付近の打撲の場合は適切な処置をしないと長引く場合がありますので、なるべく早く受診するようにしてください。
打撲だと思っていたら打撲じゃなかった!なんてことも
「クローゼットの整理をしていて、棚の上の物を足の甲の上に落としてしまった。痛いし腫れたけど、ただの打撲だと思って放っておいた。しかし、あまりにも痛いし腫れも治まらないので病院でレントゲンを撮ったら、骨にヒビが入っていた」
このように『打撲だと思っていたら実は骨折していた』というパターンも起こりえます。ケガの中でも打撲は軽く考えがちですが、意外に重大な事態になってしまう場合もありますので、やはり自己判断は要注意です。
挫傷
挫傷とは、打撲などの鈍力による外傷で,皮膚表面の損傷が少なく皮下組織の損傷が主体をなすもののことです。イメージしやすいもので言うとラグビーやアメフト・サッカーなどのコンタクトスポーツでの衝突・転倒・転落により起こることがあります。
症状は皮下出血や浮腫(ふしゅ)などで、さらに深部の骨、腱、筋肉、内臓の損傷を伴うことがあります。整骨院で扱うのは主に筋挫傷です。筋挫傷は発生の仕方こそ違いますが、肉離れと同様の施術をおこないます。
筋挫傷は適切な処置をしないで放置していると、今度は前よりも弱い外力によって挫傷を起こしてしまう可能性が高くなります。
受傷されましたら、たとえ痛みがそれほどではないと感じてもなるべく早期の受診をおすすめ致します。
骨折
完全骨折
外力により、骨が完全に連続性を失った状態のことです。
不全骨折
不全骨折とは、何らかの理由により骨が連続性を完全に失わない状態の骨折のことです。骨にヒビが入っている状態である亀裂骨折や、骨の内部が離断しているにも関わらず骨の表面の骨膜に損傷がないため、外形的には変化が見られない骨膜下骨折などが不全骨折の典型的なものです。また、疲労骨折も不全骨折となることが多い骨折です。
当院では受傷直後の処置後、整形外科を紹介させていただき、そちらでレントゲン撮影等の検査を受け医師より同意を得た場合に骨折に対する施術をさせていただきます。(医師の同意は口頭でも構いません) 一度整骨院に受診してから、また整形外科に受診するのが負担の場合は、良い整形外科をご存知でしたらそちらを先に受診してください。もしご存知ない場合は当院が紹介させていただきます。
脱臼
完全脱臼
骨と骨の関節面が完全にずれてしまい接触がないものを完全脱臼といいます。要するに関節がはずれるというものです。
亜脱臼
骨と骨の関節面に部分的な接触が残っているものを亜脱臼といいます。
脱臼自体は関節を入れる(整復する)と治ります。しかし、脱臼したことにより関節周囲の軟部組織の損傷がありますので(ひどい捻挫のような状態)、その施術をしていきます。
意外に多い肘内障(ちゅうないしょう)
幼児、特に2~4歳くらいの子供に多く、俗にいう『肘が抜けた状態』です。
しかし、実際には肘が完全に抜けているわけではなく、橈骨(とうこつ)という前腕の骨の頭の部分が輪状靭帯という輪っか状になったスジから外れかかった状態のことをいいます。なので、肘内障は分類としては完全脱臼ではなく亜脱臼になります。
手を急に引っ張ったり、捻ったりした時に起こることが多いです。
肘内障が起こった際には、突然痛がって泣きだし痛い方の腕は曲げたり動かしたりすることなく、ぶらんと垂らしたままにしています。
完全脱臼ではないので外見上変形したり腫れたりすることはありません。また小さな子供ですので痛みのある場所やどうすれば痛いのか、などを聞き出すことが難しいので保護者の方はどうすればいいのかわからず焦ってしまうことが多いです。
Case3.肘内障(ちゅうないしょう)
毎年必ず1~2人は来ますよ、肘内障!連れてこられた親御さんが言われることは皆さん一緒です。
「腕を引っ張った後に急に泣き出して、そこから(受傷した方の)腕を動かそうとしないんです!」
起こった時の細かい状況は違えど皆さんだいたいこんな感じです。
整復前の状態を撮っても見た目にはわからないし早く整復してあげないとかわいそうなので上の写真は整復直後のものですが、ほんとに何事もなかったかのようにおもちゃで遊び出していました。
整復後の確認をする前に本人が既に左腕を使いだしたので一安心でした。
親御様へ
お子様の腕を引っ張った直後に、急に泣きだして腕を動かそうとせずにぶらんとさせている場合はまず肘内障だと思っていただいていいですので、そうなってしまった場合は少しでも早く受診して下さい。
時間が経てば経つほど整復しにくくなり、そうなればお子様の痛みも早期に整復するより増してしまいます。お子様はまだ自分の口ではうまく説明できませんので、どうか上記のような状態が見受けられましたら一刻も早い受診をお願いいたします。
「突き指」あなどることなかれ!
Case4.右手薬指、小指の突き指
「突き指 = 引っぱる」はNGです!
バスケットボールで突き指って痛いですよね~。僕も小学生の頃に突き指をしたことがありますが、昔は周りにいる大人たちに突き指をしたその指をよく引っ張られたものです(笑)。
今の僕であれば絶対やめて~、って言いますけど何も知らない子供の頃はそうすることで早く治ると信じちゃっていましたよ!なので、これを見られた方で今後ご自身や周りの方が突き指をした場合は絶対に引っ張らないで下さいね。
なぜ引っ張ってはいけないのか?のその前に
そもそも突き指ってどういった状態なのか?
指の捻挫とは違うのか?
簡単に言うと捻挫は靭帯の損傷ですが、突き指は靭帯損傷を含め複合的にケガをしている可能性があるということです。
「複合的」を具体的に挙げていくと、
- 靭帯の損傷
- 腱の損傷
- 脱臼
- 骨折
- 打撲
etc.
ですから、突き指でもひどいものになれば「靭帯も腱も損傷し尚且つ脱臼も骨折もしている」なんていうことも起こり得るということです。
突き指をしてしまい損傷したのが靭帯だけ(正確に言うと皮下組織や筋肉もダメージを受けていますが…)というのが、いわゆる指の捻挫になるわけです。
突き指って大したことないイメージを持たれている方も多いと思いますが意外と恐ろしいでしょ!
(柔道整復師 山下暢士 監修)