こんにちは。大阪市中央区谷町六丁目にあります、ヤマシタ整骨院院長の山下です。
今回は腰の痛さだけではなくお尻や太ももなど、脚のしびれについて書いております。
腰痛や足のしびれにお困りの方のご参考になれば幸いです。
腰痛で足がしびれる原因は坐骨神経にあり
そもそも坐骨神経とは
しびれと聞くと一般の方でもやはり神経が悪さをしているのかな、とお考えになる方が多いかと思います。しかし、体全体で見ると神経以外が原因でしびれが起こる場合もあります。
こと、腰痛があり脚がしびれる場合においては坐骨神経が原因になっていることが多々あります。
では、そもそも坐骨神経とは一体どんな神経なのでしょうか。
骨盤を構成する骨の中に坐骨という骨があります。姿勢を正してイスに腰をかけた際に座面にお尻の骨が当たっている感じがするかと思いますが、あの骨が坐骨です。
坐骨神経はその坐骨を通り、お尻にある梨状筋という筋肉の下を抜けて太ももの裏を通り膝裏の上あたりで2つに分かれます。分かれた一方はふくらはぎの深部（脛骨神経）もう一方はふくらはぎの外側（総腓骨神経）を通り、最終的に足部まで到達します。
と、なんだかややこしくなってしまいましたが簡単に言うと背骨から出てお尻→太もも裏→ふくらはぎ→足まで通っているのが坐骨神経となります。
お尻や脚がしびれるのは坐骨神経痛？
坐骨神経の説明は前述しましたが、坐骨神経痛とはなんなのでしょう。
病名のように思われる方もおられるかもしれませんが、坐骨神経痛とは症状名なんです。
わかりやすいところでインフルエンザを例にご説明します。インフルエンザが病名で、かかった時に出る高熱、頭痛や倦怠感、咳や鼻水など、これらが症状になります。
なので、坐骨神経痛というのはインフルエンザでいう咳や鼻水といった症状にあたります。
そんな坐骨神経痛ですが、何かしらの原因でこの神経に問題が生じると神経が通っているお尻や太ももの裏、ふくらはぎ周辺でしびれや痛みが起こるのです。
坐骨神経痛を引き起こす疾患として、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症や腰椎分離症・すべり症などがあります。（各疾患の説明は今回は割愛させていただきます。）
これらの疾患や体のゆがみ、悪姿勢、筋肉の硬さなど様々な要因によって坐骨神経が圧迫されたり引き伸ばされることでしびれや痛みの症状が出てくるのです。
坐骨神経痛以外で脚がしびれる場合も
坐骨神経痛以外では脚の血行不良により痛みや痺れが起こることもあります。靴下やストッキング、きつすぎる下着やズボンなどを着用することで血流が阻害され脚がしびれたり痛くなったりすることがあります。
しめつけのキツイ衣類を着けていないのにもかかわらず血行不良が起こることもあります。それは、坐骨神経に異常をきたす要因ともなっている体のゆがみや悪姿勢、体の使い方のクセ等です。
これらがあることで筋肉にアンバランスさが生まれ負担が大きいところの筋肉は硬くなります。血管や神経は筋肉の中を通っており、硬くなった筋肉のところでは血流や神経の流れが悪くなり場合によってはしびれや痛みが起こることがあるのです。
そのほかに病気が原因で脚がしびれることがあります。脳血管障害や糖尿病性神経障害、閉塞性動脈硬化症などです。
安静にしていてもよくならない60代女性。腰痛と脚のしびれがなくなり、旅行できるようになりました。
ヘルニアと診断されリハビリを続けるも…
ネットで当院を検索されご連絡をくださった60代の女性患者さまのKさん。腰の痛みに加え左のお尻からもも裏にかけてのしびれにお困りで受診されました。
詳しくお話を伺うと、もともと慢性的に腰痛はお持ちだとのことですがしびれはなかったそうです。しかし、当院に来られる半年ほど前から左のお尻やもも裏がしびれ出したとのこと。
初診時、入って来られた時はスムーズに歩くこともできず左脚の運びがぎこちないほどでした。
しびれが出だしてしばらくの間は動くことがつらいということもあり、安静にしていたとおっしゃっていました。安静を続けた結果、ご本人的には余計に悪くなったように感じられその後、整形外科に行かれたそうです。
そこで腰椎椎間板ヘルニアと診断され、病院でのリハビリを勧められ半年近く通っておられたようですが、腰痛やしびれが一向に良くならないということでご家族の勧めで整骨院の受診を決められました。
脚を引きずっていた状態から旅行が行けるまでに改善
Kさんは整骨院自体が初めてということでしたが、一縷の望みにすがるような思いで来られているようでした。
それでも、初めてでとても緊張されていたのでKさんが施術を受けられどうなりたいのかなど、細かにお話を聞かせていただき検査等も慎重に進めていきました。施術の流れや治療計画に関して、Kさんがしっかりと理解し納得されるまで説明させていただき、最終的に快く施術に同意いただき進めていくことができました。
ただでさえ痛みやしびれでおつらいので、施術にさいしてお体への負担が少しでも少なくて済むようにソフトに、それでいて早期に改善させられるように最良の組み立てで施術を重ねていきました。その結果、初診時から3ヶ月が経った頃にはお孫さんと旅行できるまでに回復されました。
今では体の心配なく人生を楽しんでおられます
当初、体のねじれと骨盤が後ろに倒れ気味になっていることにより姿勢が崩れている状態でした。先述した通り、姿勢の崩れや体のねじれがあることで神経や血管の通りが悪くなっていることが考えられたので、整体を行い少しずつ元の状態に戻していき最終的には5ヶ月ほどで腰痛としびれが取れました。
回を重ねるごとにKさんの表情は明るくなり発する言葉も前向きなものが多くなっていったので、メンタル的にポジディブになったことで回復が早まったように思います。
現在はご家族やお友達と頻繁に旅行や山歩きに出かけられ、定期的にお体のメンテナンスに来られています。その際は毎回のようにお土産をいただくので本当にありがたい話です。
歩けないほどの腰痛や足のしびれ、その場合は安静にすべきなのか
積極的な安静と消極的な安静
腰が痛くて脚にしびれや痛みがあると、それだけで動きたくないお気持ちはわかります。
かといって、一日中横になっていれば坐骨神経痛が良くなるのかというと決してそうではありません。
では、一体日常生活をどのように過ごせばいいのかと言うと無理のない範囲で動かす、ということをしていただきたいです。
これを積極的安静と言います。対して消極的安静は、必要最低限（トイレや食事）しか動かずそれ以外は寝ている状態です。
坐骨神経痛がいくらツラくても、消極的安静を続けていると血流など体のめぐりは悪くなり筋肉も落ちてしまうので、良くなるどころか余計に悪くなってしまう可能性すらあります。
なので、安静は安静でも動かせる範囲で動くようにする積極的安静を意識して過ごしていただければと思います。一つご注意いただきたいのは、重たい物を持ったり長時間座りっぱなしになるなど、腰に負担のかかることは避けるようにしてください。
積極的な安静以外にできること
日常生活は積極的安静を意識して過ごしていただければいいのですが、そうしていたからといって坐骨神経痛が良くなるとは限りません。
もちろん、そこまで症状がひどくない場合であれば良くなっていくことも考えられますがある程度症状がひどいと積極的安静だけではなかなか改善しないと思います。
そんな時はやはり早期に治療を開始されることをオススメいたします。坐骨神経痛に限らず神経症状というのは一度発症するとなかなか治りにくいものなのです。
どこの部分で神経が障害されているのか、神経が障害されている根本的な原因はなんなのか等、1日でも早く専門家に診てもらうことがツラいしびれや痛みから解放される最善の選択だと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。お悩みの方も多い坐骨神経痛ですが、しびれや痛みが強い場合、放っておいて自然に改善する症状かというと、そういう類のものではありません。
適切に治療を行っても完全にしびれや痛みが取れるまで、ある程度時間を要することも多々あるのが坐骨神経痛です。
現在、腰痛がありさらに坐骨神経痛によるしびれや痛みにお困りの方は一刻も早く治療を受けられることをオススメいたします。
（監修：柔道整復師 山下 暢士）
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