こんにちは。大阪市中央区谷町六丁目にあります、ヤマシタ整骨院院長の山下です。
今回は腰痛に対するサウナや水風呂の効果について書いております。
サウナ好きな方は結構おられると思いますが、もし腰痛があるのであればぜひ最後までお読みくださいませ。
サウナと水風呂で整うとどんなふうに腰痛に良いのか
サウナと水風呂と休憩で1セット
サウナと言えば水風呂、水風呂と言ったらサウナというくらいセットになっているこの2つを繰り返し行うことを、温冷交代浴と言います。
サウナに入ったことのない方からすると、あまりわかっていただけないかもしれませんが、水風呂に入るためにサウナに入ると言っても過言ではありません。（※個人的感想）
僕の個人的な感想ですが、共感されるサウナー（サウナをこよなく愛する人）も多いのではないでしょうか。
なので、サウナに1回数分程度入って適当に汗をかいたらハイ終わり、というのは考えられません。サウナが初めての方でも蒸し暑い中、頑張って汗をかいたら水風呂に飛び込みたくなること請け合いです。
それほどにサウナと水風呂はセットなのですが、もうひとつ忘れてはいけないのは休憩です。銭湯などでは難しいですが、外気浴がベターです。外気浴が無理な場合でも横になれる場所があれば寝そべって何も考えずのんびり寛ぎましょう。
サウナ→水風呂でもいいですが、できればサウナ→水風呂→休憩、これを1セットとして実施していただければいいと思います。
そもそも整うとは？
数年前からSNSやネットニュースなどで目にするようになったサ活（サウナを楽しむ活動）ですが、みなさんはサ活されていますか？
サ活と同じように見聞きするようになったワードとして整う、というものがありますが整うとは一体どんな状態なのでしょうか。
前述したサウナ→水風呂→休憩、このセットを数回繰り返すことで得られる多幸感やリフレッシュした気分のことを整うと言います。
整うとは気分的なところのみを言うのではなく、身体的な部分にも言うことができるのですがそれが自律神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の2つがありますが、サウナで体が温まることで脳や体が興奮状態となり交感神経が優位になります。これでまずはスイッチオンの状態となります。
次に水風呂に入って一気に冷やすことでサウナの時の興奮状態から一転、副交感神経優位のスイッチオフの状態に切り替わります。そしてのんびり休憩することでさらにリラックスモードが加速します。この時、体はリラックスしていますが、脳は興奮状態にありこのような状態は日常生活ではなかなかないことで、これがいわゆる整うということです。
サウナと水風呂、温から冷、興奮から鎮静によって脳から整うの素が分泌されます。それが、オキシトシン・セロトニン・β−エンドルフィンです。オキシトシンやセロトニンは幸せホルモンと言われており、オキシトシンには抗ストレスや抗うつの作用があります。またセロトニンの分泌が不足すると、向上心や意欲の低下、ストレスや疲労、イライラ感が溜まりやすくなったり、うつや不眠などの症状がみられるようになります。
β−エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれる神経伝達物質の一つです。これが分泌されることで鎮痛効果や気分の高揚、幸福感などが得られます。
このように自律神経や脳内物質を温冷刺激によりコントロールすることで心身ともに整っていくのです。
腰痛への効果
これまでサウナや水風呂についてお話してきましたが、では実際整うことで腰痛にはどのような影響があるのかを見ていきたいと思います。
ストレス過多になると自律神経が乱れ血行不良が起こり筋肉を硬くさせるというお話は過去のブログ内でも何度もお伝えしている通りですが、サ活で整うことで自律神経の乱れが整い幸せホルモンも分泌されるので腰痛が改善に向かうことは十分に考えられます。
また、血行も促進されるので体全体への酸素の供給量が増えるとともに疲労物質の排出が促され、結果として腰痛が和らぐこととなります。
良かれと思ってサウナに行ったら腰痛が悪化してしまった50代男性
ギックリ腰でサウナに行ったら悪化！
以前から当院に来られている患者さまからのご紹介で来院された50代の男性患者さまTさん。
初診時、院内に入ってこられた時から明らかに姿勢や脚の運びがおかしく、お話を聞かせていただくと完全にギックリ腰でした。
来院される1週間前にギックリ腰をやってしまったそうです。朝ご飯を食べ終えてイスから立ち上がろうとした瞬間に腰がピキッとなったとのことなんですが、その時はそこまで痛みもひどくなく程度の軽いギックリ腰で意外と動けていたそうです。
過去に何度かギックリ腰をやっている経験から、今回は動けているし仕事もできそうだし慎重に過ごしていればそのうちに良くなるだろう、という判断をされたようです。
そして軽いギックリ腰をしてから3日後くらいに、行ったら良くなるかもくらいの軽い気持ちでサウナに行かれたとのこと。ちなみにTさんはもともとサウナが好きで普段から近所の銭湯によく行かれるそうです。
ギックリ腰が少しでも早く良くなればとの思いから、サウナと水風呂とをいつもより多めに繰り返して湯船にも浸かって体を洗って帰宅されたその後も普段通りに過ごされ、そこまではよかったんですが翌朝目が覚めたら腰が痛すぎて起き上がれなかったそうです。
要は、最初の軽いギックリ腰が何かしらの要因によって悪化してしまったので当院に来られたのです。
サウナと水風呂をいつも以上に頑張って負担増
Tさんが慢性腰痛で来られたのであれば、ベットに座ってもらいしっかりと時間をとってお話を伺うのですが、なにぶん座っていることがかなりツラいということだったので施術に取りかかりながらお話を伺いました。
お話を伺う中、ギックリ腰が悪化してしまった要因として怪しいのがサウナでした。ギックリ腰自体、温めていただくのは問題ありません。一昔前はギックリ腰は冷やしたほうがいいという風潮でしたが、最新の研究では冷やすよりも温めたほうが治りが早いという結果が出ているのです。
なので、多少サウナで温めたからといってそれが原因でひどくなってしまったとは考えにくいです。では、何がまずかったのかというと、いつもより多めにサウナと水風呂とを往復したことだと考えています。健康な時ならなんてことないサウナと水風呂でも体そのものが弱っていたり、不調や痛めているところがあったりする、そんな時だと体にかなりの負担になってしまいます。
疲労やストレスが溜まってギックリ腰に
Tさんの場合でもいくら軽いギックリ腰だとしても、そんなことになるということは疲労やストレスが溜まっていたり、筋肉にダメージがある状態です。そこへ来ていつも以上にサ活を頑張ってしまったことが今回に限ってはアダとなってしまった感は否めません。
しかし、施術中にそんな話をぶり返しても仕方ないので、Tさんにはとりあえず今回のギックリ腰が改善するまではサ活されないようにだけお伝えしました。
実際にギックリ腰になる少し前から仕事が立て込んでいて、心身ともに疲弊されていたとのことで体が弱りエネルギー不足になっていたと思われます。なので、エネルギーを高めるハイチャージ療法と体のバランスを整えて腰や股関節の動きが良くなるように整体治療を行いました。
初回の施術後は最初に院に入ってこられた時とは比べものにならないほどに姿勢が安定しスムーズに歩行できるようになりました。
結果的に全2回の施術で改善され、早速サ活も再開されると意気込んでおられました。
ギックリ腰の時のサウナで必ず今回のTさんと同じようになるとは限りませんが、そのリスクは大いにあると思います。ですから、サウナ好きな方でもしギックリ腰になってしまった場合は少しだけガマンして、しっかりと治してから思う存分サ活していただければと思います。
サウナに行くよりも先にやっていただきたい腰痛対策
基本的なところを見直してみましょう
慢性腰痛の方がサウナに行っていただくのは全くもって問題ないのですが、その前にまずは少しでも早く腰痛を改善させるために基本的なところを見直してみましょう。
基本的なところとは、睡眠（休息）・栄養・運動の3つです。
睡眠時間や質は大丈夫ですか？不調や痛みを回復させるための栄養は足りていますか？食事のバランスはどうですか？体は動かしていますか？
いくらサ活を頑張っても、健康な体を作るために必要な３本柱を疎かにしていては良くなる腰痛も改善していきません。
むしろ睡眠不足でサウナに入ったらヘタすると倒れてしまうこともあるでしょう。サウナで血流が良くなっても隅々まで行き渡るはずの栄養が足りなければ効果半減です。サ活で暑さや冷たさに耐える前に軽くでいいので自ら体を動かしてみましょう。
足りていないいずれかがあるのであれば、それを改めてからでもサウナは逃げません。まずは健康の３本柱を見直すところから取り掛かっていただければと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。上手く取り入れれば腰痛の改善に一役買ってくれるであろうサ活ですが、そのためにまずはご自身の現在の生活習慣や食生活から見直していただくことで、より一層サウナの効果を得られるようになると思います。
腰痛に限らず肩こりや冷え性など色々な症状に対してサ活は有効ですので、ご興味のある方は身近にいるサウナーを捕まえて一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
（※心臓や呼吸器の疾患など持病がある方は担当医師に確認してからサウナを利用するようにしてください。）
（監修：柔道整復師 山下 暢士）
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