こんにちは。大阪市中央区谷町六丁目にあります、ヤマシタ整骨院院長の山下です。
今回はデスクワークをする際のイスをバランスボールに変更することでのメリット等について書いております。
腰痛があるデスクワーカーの方はお時間のある時にぜひ最後までご覧くださいませ。
イスの代わりにバランスボールを使うことの腰痛に対するメリット
バランスボールとは
バランスボールはビニールの樹脂でできたトレーニングを行うためのボールです。イタリアのプラスチック製造会社が開発し、実際に使われはじめたのはスイスで、リハビリの現場に広まっていったようです。
サイズの種類も豊富で、下は45cmから一番大きなもので180cmのものもあるそうで、身長や用途によって使い分けられます。それにしても、180cmのやつはどんな使い方をするんでしょうか。
日本に入ってきたのは、1980年代ですが、一般的に世の中に広まったのは2000年頃と言われています。この頃に著名なプロスポーツ選手がこぞって使っているシーンがテレビで放送されたことで、世間に認知されだしたんでしょうね。
デスクワークでイスに長時間座っていることのデメリット
1日の中でイスに座っている時間が世界で一番長いとも言われている日本ですが、長時間座っていることでどのようなデメリットやリスクがあるのかを見ていきましょう。
まず一つに血行が悪くなります。座りっぱなしでは筋肉のポンプ作用もほとんど働かず心臓の力のみで血液を送りださなければなりません。心臓のポンプと筋肉のポンプ作用との両方がしっかりと働くと、全身くまなく血がめぐるようになります。
次に、代謝が下がります。座りっぱなしで体を動かさず、筋肉の働きが少ないことで代謝が低下します。代謝が下がるということは、太りやすくなるということですから肥満にもつながります。
また、その他には糖尿病やがん、脳血管系の疾患や認知症などのリスクも高まります。
体を動かさない時間が長くなることで、血行が悪くなり筋肉もかたまってしまうので、腰痛や肩こりも慢性化しやすくなってしまいますし、最新の研究でメンタルヘルス的にもよくないことがわかっています。
イスからバランスボールに替えることでのメリット
デスクワークの際、イスの代わりにバランスボールを使うことの最大のメリットはやはり腰痛や肩こりの症状が軽減することではないでしょうか。
なぜ、イスをバランスボールにすることで腰痛や肩こりの症状が軽減するのかというと、バランスボールに座ることで、良い姿勢をキープするのに必要な体幹の筋肉がほどよく刺激されることに加え、自然と正しい姿勢に矯正されるからです。
バランスボールに座ったことのある方はお分かりいただけると思いますが、バランスボールに安定して座ろうとすると、当然脚を組んだりできないですし自然と骨盤が立った状態になり、姿勢が正されます。体幹の筋肉を使うので、血行の促進にも一役買ってくれます。
そのほかのメリットとしては、体幹の深層の筋肉が刺激されることでイスに座っている時と比べると基礎代謝がアップします。基礎代謝が上がると痩せやすくなるので、体重や体型を気にされている方には最高ですね。
会社のイスをバランスボールに替えて腰痛が良くなった40代男性
とにかく座っている時間が長くて慢性腰痛がある患者さま
患者さまが腰痛でお悩みの同僚のEさんをご紹介してくださいました。40代男性のEさんのお仕事のほとんどはデスクワークです。たまに出張があるようですが、出張先でも打ち合わせや会議等で座っていることが多いそう。
そんなEさん、慢性的な腰痛がありこれまでに何回もギックリ腰をされたことがあるとのこと。腰痛自体は社会人になってすぐくらいから徐々に感じ出したそうで、最近では腰痛改善のためにYouTubeを観てストレッチやエクササイズをしてみても、なかなか思ったように良くならなかったようです。
若い頃はたまにギックリ腰になった時以外は腰痛もそこまでツラいものではなかったようですが、当院に初来院される少し前から特に何をしたわけでもないのに痛みが強くなってきて、このままだとギックリ腰をやってしまいそう、という感覚があり整骨院の受診を決められました。
Eさんはこれまでもぎっくり腰になった時やそれ以外の時でも、整骨院や鍼灸院に通院されたことがあるそうで、すぐに良くなったこともあれば全然良くならなくて行くのをやめてしまったりしたこともあったみたいです。
治療院ジプシーに
お話を伺うと結構な件数の治療院(整骨院や鍼灸院、整体院)に行かれている、いわば治療院ジプシー状態です。行かれた治療院の中で、「ここに通って根本的に腰痛を治すぞ!」って思わせてくれるところはなかったのかを伺いましたが、なかったそうです。
すぐにギックリ腰を治してくれたところでもそうはならなかったのか聞きましたが、通院を続ける中でいつも何かしらのトラブルや嫌な出来事が発生したそうです。担当の先生が変わったり、予約のダブルブッキングがあったり、その他にもあった出来事を色々とお話ししてくださいました。
会社のイスをバランスボールにチェンジ
そんな治療院ジプシーのEさんの腰痛の最大の要因は、やはり毎日の長時間に及ぶデスクワークです。さらにお体を診させていただくとバランスが崩れ、かなりゆがんでいました。そんな状態が長らく続いた結果、頑固に慢性化してしまっている様子。
そこで、当院での施術と並行してバランスボールをイス代わりにすることを提案させていただきました。なかなか取り入れるハードルも高いなかEさんは職場の環境的にも問題なかったようですんなり受け入れてくださいました。
会社のイスをバランスボールにしたことで、より施術の効果も出やすくもなりましたし良い状態をキープしやすくなりました。ちなみに、Eさんのマネをして同僚の方数人がイスからバランスボールに変えられたようです。
当初、訴えられていた腰痛もすぐになくなり、同僚の方から背が高くなったと勘違いされるほど姿勢も良くなりました。慢性化した腰痛はなかなか一筋縄にはいきませんが、それでも徐々に症状が取れてきているので、このままの調子で続けていきたいと思います。
イスをバランスボールに変えた際の注意点
バランスボールのサイズ感
イスの代わりにするバランスボール、どんな大きさでもいいわけではありません。自分の足に合っていない靴で歩くと足が痛くなってしまうように、バランスボールも合ったサイズのものを使用しないとかえって身体によくありません。
身長160cm〜170cmくらいの方は直径55cmか65cm、身長180cm前後の方は直径65cm、身長150cm前後の方は直径45cmのバランスボールが適切です。
ご自身に合っているかどうかの目安は、バランスボールに座った時に股関節と膝がだいたい90度になり、足の裏がしっかりと床に着いているようであればサイズ的に問題ありません。
身長だけでなく、デスクの高さとの兼ね合いもあるのでもし合っていないようであれば、ボールの空気の増減で調整していただければオッケーです。
その他の注意点
骨盤を立てて座るようにしてください。そもそも骨盤を立てて座らないと安定しないので、脚で踏ん張って座ることになります。脚で踏ん張って座っていては、バランスボールを使っている恩恵を十分に受けられません。
骨盤を立てる、というのがわかりにくい方は、腰に手を当てて前後に動かしながら微調整してみてください。やっているうちに、安定するポイントが見つけられると思います。
他には、いくらバランスボールとはいえ、座りっぱなしはよくありません。できれば1時間に1回2〜3分でもいいので立ち上がって体を動かすようにしましょう。
最後に
いかがだったでしょうか。会社のイスをバランスボールに変えることができない場合も多いかと思いますが、もし可能であれば変更してみてはいかがでしょう。そうすることで、慢性化した肩こりや腰痛が楽になるかもしれません。
バランスボールに変えてみても改善しない場合は一度当院にご相談くださいませ。
(監修:柔道整復師 山下 暢士)
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