仰向けで寝ると腰が痛い!そんなときの寝方とは

こんにちは。大阪市中央区谷町六丁目にあります、ヤマシタ整骨院院長の山下です。

 

今回は、仰向けで寝ると腰が痛い、そんな場合の対処法を書いております。

 

腰痛があり、仰向けだと痛い、寝られないという方はお時間がある時にでもお読みいただければ幸いです。

仰向けでは寝られない腰痛。その場合の寝方とは

仰向けで寝るとなぜ腰が痛くなるのか?

腰痛がある方の中には寝ていると痛くなってくる、起床時に特に腰が痛い、という場合があるのではないでしょうか。

 

当院の腰痛患者さまの中にも一定数、そういった方がおられます。

 

せっかく心地よく寝ていても朝起きた瞬間から腰が痛いと1日の始まりとしては決していいものではありませんよね。

 

横になっていると腰が痛くなってくるという方の多くは仰向け姿勢です。

 

では、なぜ仰向けで寝ると腰が痛くなってしまうのでしょうか。

 

原因の一つとして”反り腰”が考えられます。

 

反り腰の方の仰向け寝は、腰部分と布団の間に隙間ができた状態となります。その時、腰の筋肉はというと縮まり緊張しています。

 

筋肉がそんな状態で仰向けを続けるとどうなるでしょう。腰まわりの血流は悪くなりさらに筋肉は硬くなってしまいます。このような状況から仰向けで寝ていると腰が痛くなってくるのです。

 

 

仰向けで腰が痛くなる人の特徴

では、具体的に反り腰とはどういった状態なのでしょう。読んで字のごとく腰が反っている状態です。

 

腰が反っているということは、骨盤が前側に過度に傾き、横から見たときにお尻がプリッと出っ張ったような姿勢になります。いわゆる出っ尻の方は反り腰である可能性が高いと言えます。

 

反り腰の大きな要因として、筋肉のバランスのくずれが考えられます。太ももや腹筋の奥にあるインナーマッスルが硬く縮まった状態にあったり、腹筋やお腹の横にある筋肉が弱くそれらがうまく使えていないと反り腰になってしまいます。

 

一般的に筋力の弱い女性に多い反り腰ですが、男性でも当然起こりえます。

 

例えば、デスクワークや車の運転などで1日のうちに長い時間を座った状態で過ごされる方は腹筋の奥のインナーマッスルや股関節の前側にある筋肉が常に縮まっており、これらが骨盤や腰骨を前側に引っ張って反り腰になってしまうのです。

 

 

どんな寝方がいい?

結論から言うと、横向きで寝るのがいいです。

 

なぜかと言うと、横向きになると腰の反り具合が和らぐ姿勢になり腰の筋肉の緊張がほぐれるからです。

 

普段仰向けで寝ている方も一度、試してみていただきたいのですが横向きになると自然と股関節と膝を曲げ、腰や背中が少し丸くなる状態になりませんか。

 

寝姿勢を安定させるためにも仰向けの体が真っ直ぐのまま横向きになる方はなかなかおられないと思います。

 

横向きになるだけではなんだか寝にくい、安定しないという方は体を少し前側に倒し脚の間にクッションを挟んでみてください。または抱き枕を用いて腕や脚全体で抱えると寝やすくなると思います。

 

腰は痛いけど、横向きでは肩が痛いなどどうしても仰向けじゃないと寝られないという方は、膝が少し曲がるように工夫してみてください。

 

例えば、バスタオルや座布団を筒状に丸めるなどして、それを膝のしたにかましてください。そのようにして膝が少し曲がるようにすれば腰の反りが減少し楽に寝られるようになります。

 

 

横向きでもつらい腰痛の方が楽に寝起きできるまで

 

寝起きの腰痛がつらい40代女性会社員の方

総合職の40代女性の患者さまHさん。ご友人が当院の患者さまで、その方からのご紹介で来院されました。

 

初診時に問診表を拝見すると、肩こりに腰痛、頭痛に股関節の痛みに加え、姿勢や体のゆがみが気になるなど、多くの悩み事がおありでした。

 

当時、その中でも一番気にされていたのは腰痛でした。詳しくお話を伺うと、座り仕事が多く仕事中も腰痛が気になるし起床時から腰が痛いのをどうにかしたい、とのことでした。

 

仕事中の腰痛はまだしも起きたそばから腰が痛いのが憂鬱でテンションが下がってしまうのだそう。痛みもさることながら起床時の腰痛がもたらす気分的なところが大きいようでした。

 

少しでも寝起きの腰痛が楽になればとご自身でもネットで色々と調べられ試されたそうです。
寝方に関しても横向きを実践されていたそうです。

 

それまでは基本仰向けで寝られていたHさんからすると断然楽にはなったそうですが、腰痛がひどいときだと横向でもキツかったそうです。

 

 

 

原因はデスクワーク?それとも腰骨の反りにある?

お体を診させていただくと、明らかに骨盤前傾で腰の反りが大きい反り腰の状態でした。

 

色々と質問をさせていただくと、Hさんは昔から出っ尻を気にされていたようです。

 

いつから姿勢がそのようになっていったのかは特定できませんでしたが、少なくともご自身は大学生の頃から気にされていたし周りの人たちからも指摘されることがあったようです。

 

昔からの出っ尻姿勢に加えて、座り仕事が多いことによってお腹の奥や股関節の前の筋肉が硬く縮まってしまい反り腰をより強固なものにしてしまったのでしょう。

 

さらに言うと、初診時に伺った肩こりや股関節の痛み、体のゆがみなどは反り腰を改善させていく過程で同時期に解消されました。

 

というのも、反り腰の姿勢で長年生活されていたせいで生理的な背骨のカーブがくずれ、体の前側と後ろ側の筋肉のバランスも悪くなりそれらが影響して腰痛以外にもHさんが訴えられていた色々な症状が出ていたのです。

 

施術を重ねていく中で姿勢が徐々に戻っていき、筋肉に負担がかから無くなってきたことで体全体が楽になったんですね。

 

 

 

寝起きの腰痛が改善し仕事が捗るようになるまで

Hさんの場合ですが、初診時から計4回の通院でかなり姿勢は良くなり常に強ばり緊張していた腰回りの筋肉も緩んできていました。

 

その時点で起床時の腰痛について伺うと、気にならない日もあればそうでない日もあるとの答えでした。

 

お体に関して、まだまだ改善の余地があること、お仕事の状況やストレスなども関係している旨をしっかりとお伝えし、そこからさらに施術を重ね初診時から3ヶ月を迎える頃には起床時の腰痛が気にならなくなったとのことでした。

 

身体面だけではなくHさんの場合、精神面にも大きな影響を及ぼしていた起床時の腰痛がなくなったことで以前よりもよりエネルギッシュにお仕事に取り組めるようになったとおっしゃっていました。

 

Hさんは今でも体のゆがみや筋肉のバランスを整えに来られていますが、すごく良い笑顔で「調子良く仕事ができているので一つ役職が上がっちゃいました。」と報告してくれました。それを聞いて僕もとても嬉しかったのを覚えています。

 

人は健康な時にはそれが当たり前としか思いませんが、どこか一箇所でも不調や痛いところがあったりするとそれだけで気が滅入ってしまい健康のありがたさが身に染みたりしますよね。当たり前を当たり前だと思わずに日々自身の健康のありがたさに感謝することが健康を維持する一つの秘訣でもあるような気がしています。

 

 

 

横向きに寝てもつらい腰痛を改善させるには

 

まずは簡単にできることから始めてみましょう

仰向きでは腰が痛いからいざ横向きで寝てみたものの、それでも腰が痛い場合はどうすればいいのでしょうか。

 

そういった方はもしかすると寝返りがあまりできていないのかもしれません。

 

前提として立ち姿勢、座り姿勢、寝姿勢すべてにおいて一般的に言われる良い姿勢であったとしても、長時間同じ状態が続くと体への負担は大きいです。動かさない時間が長く続くことで血行が悪くなり筋肉が硬くなってしまい、最終的に痛みが出てきてしまうのです。

 

立っている時や座っている時はご自分の意思で動かすようにすればいいのですが、寝ている時は当然意識的に寝返りをすることはできません。では、どうすれば寝返りがうちやすくなるのかというと、就寝前の行動が鍵になってくるのです。

 

寝返りは、睡眠サイクルでいうところの深い眠り(ノンレム睡眠)の時に行っていると言われています。浅い眠り(レム睡眠)の時に寝返りしていそうなものですが意外や意外、逆なんです。

 

ということは、しっかりと深い眠りを得るために睡眠の質をあげることができれば寝返りの回数が増えるということになります。

 

睡眠の質をあげるためには寝る前にいかにリラックスできるかが重要になってきます。逆に言えば、寝る直前まで脳や筋肉、内臓を使うようなことは避けていただきたいのです。例えば、布団に入って寝る直前までスマホを見ていたり、ご飯を食ベてすぐに寝たりでは睡眠の質は悪くなってしまいます。

 

睡眠の質をあげる方法をいくつかご紹介します。

・お風呂はぬるめ(38℃〜40℃)のお湯に5〜15分程度浸かる。就寝の90分〜2時間前に済ませておく。
・晩ご飯は就寝の2〜3時間前までに食べ終えるようにする。
・コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物は就寝前に飲まない。飲む場合は就寝3〜4時間前にしておく。

・ヒーリングミュージックなどリラックスできる音楽を聴く
・生活リズムをくずさないようにする。休日でも普段と同じくらいに起床し陽を浴びて少しでも外出するようにする。
・快適な室温を保つ。特に梅雨時期から夏場はエアコンを活用し室内の湿度や気温を快適に保つ。
・就寝2〜3時間前からスマホやパソコンを使わないよにする。できればテレビも観ないほうがよい。

・アルコールは控えめに。飲む場合でも就寝の3〜4時間前までにしておく。

 

これらは、人によっては簡単にできるものもあればなかなか難しいものもあるかもしれません。できそうなものから取り入れて習慣化していってもらえればと思います。

 

 

腰痛からみた適正な睡眠時間とは

若いころ、寝過ぎた時に体がバキバキで痛い思いをしながら起き上がった記憶がある方もおられるのではないでしょうか。

 

体の回復に睡眠は必要不可欠なので睡眠不足よくありません。かと言ってたくさん寝ればいいというものでもありません。

 

横になっている時間があまりにも長いといくら寝返りがちゃんと打てていても体は硬くなってしまいます。

 

では、どれくらいの時間が適当なのでしょう。絶対に◯時間じゃないとダメというのはないのですが、大体7時間前後がいいのではないかと思います。

 

もちろん個人差はありますので、本当にご自分の腰に良い睡眠時間を把握されたいのであれば実験してみるのもいいかもしれません。

 

6時間半睡眠で1週間、次に7時間で1週間、7時間半で1週間、8時間で1週間、といったふうに試してみて毎朝の腰の具合を記録すればある程度、ご自分に合った睡眠時間が見つけられるのではないでしょうか。もしできそうであればチャレンジしてみてください。

 

 

横向きで寝てもつらい腰痛を改善させる方法

これまでにお伝えした横向きでの寝方や睡眠の質をあげる方法を実践していただいても痛い場合、もしかすると寝具が合っていない可能性があります。

 

寝具(マットレス)に関しては以前ブログに書いていますのでぜひこちらからお読みになっていただければと思います。

 

マットレスも問題なさそうであれば、あなたの腰の状態があまりよくないということが考えられます。

 

そういった状況での自己流の運動やストレッチは決して安全とは言えずかえって腰痛を悪化させてしまう恐れもあります。

 

なので、自己流でなにかされる前にまずは信頼できる専門家に診てもらうことをお勧めいたします。

 

(監修:柔道整復師 山下 暢士)


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