こんにちは。大阪市中央区谷町六丁目にあります、ヤマシタ整骨院院長の山下です。
今回は腰痛がある方のためのイスの座り方について書いております。ご存知ない方が意外と多いように思います。
1日の中で座っている時間が長く腰痛にお困りの方はぜひ最後までお読みいただけましたら幸いです。
腰痛持ちの正しいイスの座り方とは
今お使いのイスは大丈夫ですか
お仕事や日常生活で座っている時間が長い方も多いのではないでしょうか。当院に来られる腰痛や肩こりにお困りの患者さまも多くは座り仕事の方です。
そうなると、問題になってくるのはイスです。歩く際に靴が重要になるのと同じく座ってる時間が長い方にとってはイスがとても大切なアイテムになってきます。
当然座っている際の姿勢や時間等、気にしなければいけない点は他にもありますがとにかくまずはイスそのものに着目してみたいと思います。
というのも、過去に肩こりや腰痛で来られていた患者さまでどうにも調子が良くなっていかない方がおられました。正確に言えば、施術をすれば体の反応は良く状態は改善されるのですが次に来られたときにはまた症状が戻ってしまっていたり時には悪くなっていることもありました。
最初のうちはなぜそうなってしまうのかがわからずに悩んでいたんですが、患者さまからお話を伺う中で判明したのがイスでした。会社で座っているイスが壊れかけで座面がグラグラする状態のまま長らく使っていることが分かったのです。
お尻への荷重の仕方が少しでも変わろうものなら座面が前後左右にギシギシと動いてしまうとのことでした。そんな状態でデスクワークを続けていたら姿勢が安定しないのも無理はありません。靴で例えるなら、両方ともボロボロでさらに片方はかかとが削れてソールが全くないようなものです。そんな靴で1日中歩いた日には絶対に足のみならず体全体がおかしくなることでしょう。
このような患者さまの事例は珍しいと思いますが意外にイスのことはノーマークになっている方が多いのかもしれませんね。
背もたれは使う、使わない、どっちが正解?
出社してのデスクワーク、ご自宅でのテレワークにプライベート時間での食事や読書など様々なシーンで座ることがありますが、その際にどんなイスをお使いですか。
イスといってもオフィスチェアやダイニングチェア、バーにあるようなハイチェアや簡易的な折り畳みイスもあればソファーなど、色々なタイプのイスがあります。
その中でも今回は一番座る時間が長いであろうデスクワーカーがお使いのオフィスチェアに絞って進めていきたいと思います。
デスクワーカーのみなさん、お使いのオフィスチェアの背もたれは使われていますか。
果たして腰痛がある方は背もたれを使うほうがいいのか、使わないほうがいいのかどちらでしょうか。
結論から言うと、背中を軽く預ける程度に使うのが良い姿勢を楽に保つことができるでしょう。
背中と書いていますが、オフィスチェアの大半の背もたれはそこまで長くないでしょうから実際には背中の下部から腰にかけてを軽く当てるような感じになるかと思います。
良い座り姿勢についてですが、写真のように骨盤がしっかりと立った状態で背筋は伸び、股関節と膝は約90度、足が床に着いている、このような姿勢が理想的です。
背もたれに体をガッツリと預けすぎてしまうとどうしても骨盤が後傾気味になりますし、座面や穿いているズボンやスカートの素材によっては徐々にお尻の位置が前にズレてきてしまい、腰や背中が丸まって悪い姿勢になってしまいます。
また背もたれがあるからもたれないといけないと思いがちですが、そんなことはありません。ある程度良い座り姿勢が保てる方は背もたれを使わなくても問題ありません。
いずれにせよ、座っている時間が長いこと自体が腰によくありません。ですから、良い座り姿勢をキープしつつできることなら1時間に1回は立ちあがり数分でもいいので体を動かすようにしてください。
イスの高さ、合ってますか
座り方が良くても高さが合っていないと良い姿勢を保つことができません。
イスの高さが合っているかどうかの基準ですが、イスに深く腰をかけた際に足裏全体が床に接しているかどうか、で判断してください。
足裏が着いていても座面が低すぎるのはよくありません。座った際に足裏がしっかりと床につき、太ももが床と並行もしくは少し膝が高くなるくらいがベストです。
座り方や高さに問題が…イスに座っているだけでも腰が痛い40代男性
イスに座っているだけでも腰が痛いと訴えられる患者さま
会社員、40代男性の腰痛患者さまTさん。谷町六丁目に会社があり、よくからほり商店街を通られていて腰が痛くなった時に当院が目につきご連絡くださいました。
初診時、お話を伺うと特になにをしたわけでもないのに腰が痛くなってきたとのことでした。
しかし、問診を進めていくと色々と事実が発覚します。Tさんはこれまでは外回りや倉庫内作業などのお仕事をされていたのですが、部署移動でデスクワークが主になったそうです。
慣れない座り仕事が腰痛の要因になっていることは間違いないのですが、実際にどういう感じで座っておられるのか、またお使いのイスやデスクの高さはどんなものなのかを確認させていただきました。
確認させていただいて分かったのはそもそもイスとデスクの高さが合っていないようでした。
イスに対してデスクの高さが低くパソコンや事務仕事を行う姿勢が悪くなってしまってい他のです。
机が低いので自然と腰や背中が丸くなってしまい、背面の筋肉が常に伸ばされた状態になります。その状態が部署移動になってから数週間続いたことで筋肉に疲労が蓄積し、腰痛として症状が出てきたということです。
意外と身落としがちなデスク環境
Tさんのようにイスとデスクの高さが合っていないパターン以外でもデスク環境の悪さから、肩こりや腰痛になってしまうこともあります。
いくつか例をあげると、パソコンを真正面に置いていなかったり上半身は真っすぐでも下半身がそうでなかったり、というような場合です。
パソコンを正面に置いていない、というのはデスクの上がグチャグチャだったりしてノートパソコンをスペースのある端っこに置いた場合、下半身は真っすぐデスクの下に入れていたとしてもパソコンが正面にないので上半身は捻って作業しなければなりません。
逆のパターンも然り、例えばデスクの足元にプリンターがあったり、物がたくさんあったりすると上半身は正面を向いていても脚を真っすぐ入れることができずに下半身を空いているスペースに捻って入れる状態になります。
上半身を捻っているか下半身を捻っているかの違いにはなりますが、いずれにせよ体を真っすぐにしておくことができなければ、そもそも良い姿勢が作れません。
そんな状態でお仕事を続けていれば、調子を崩してしまうのにそんなに時間はかかりません。
腰痛はなくなりデスク環境も改善
Tさんの腰痛は先述した通り、腰や背中の筋肉が伸ばされた状態が長く続いたことで起こったものです。
筋肉が硬くなっていることもさることながら姿勢が崩れ体のバランスが悪くなっていました。
なので、筋肉をゆるめるだけでは症状はまたすぐに戻ってしまいます。施術はそのあたりも考慮し、まずは体のバランスを整体にて整えていくことを行いました。
体が整うだけでも筋肉はゆるんでくるのでTさんの場合は初回の施術後からかなりの変化を感じていただくことができました。
2回3回と続けていくことで、どんどんと良い状態になっていきそれが早期に定着したので4回目の施術を終えた頃には腰痛もなくなり快適にお仕事に取り組んでいただけるようになりました。
部署移動になった時にTさんに用意されていたイスとデスクはちゃんとした事務用ではなかったらしいのですが、それを使い続けているとまた腰を悪くしてしまうということで会社に掛け合い新たに用意してもらうことができたとのことでした。
新しイスとデスクは高さ調節もバッチリ、座り方や休息についてもお伝えしているのでこれで腰痛の心配はなくなったと大変喜ばれていました。
イスに座ったままできる腰痛ストレッチ
イスとデスクの高さはバッチリ、座り方も問題なし、休息も適度に取っている、それでも一日中のデスクワークはしんどいですよね。
しんどくなった時やちょっとした息抜きにここでご紹介するストレッチを行っていただき固まっていた筋肉をほどよく伸ばして血行促進、腰痛予防にお役立てください。
お尻を伸ばすストレッチ
座った状態からスタートです。
片脚をもう一方の膝の上に乗せます。その状態からお腹を脚に近づけるように上半身をゆっくりと倒していきます。
お尻が気持ちの良い程度に伸びたらそこで10〜20秒キープします。
反対側も同じように行ってください。
もも裏を伸ばすストレッチ
座面の少し前側に座った状態から一方の脚を伸ばします。つま先をあげ膝は伸ばしてください。
そこから上体を前に倒していきます。膝裏やもも裏、ふくらはぎが気持ち良く伸びたらその状態をキープして10〜20秒。
反対側も同じように行いましょう。
腰を捻るストレッチ
背すじを伸ばした状態で腰を右に捻ります。これも気持ちいいところでキープし10〜20秒行いましょう。
反対側も同じように行いましょう。
※3つとも無理せず気持ちのいい程度のところでキープするようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。デスクワークの方はどうしても座っている時間が長くなってしまいます。腰痛がある方は座り方やデスクまわりの環境を今一度ご確認いただき、もし改善点がある場合は今回の内容を参考にしていただければ嬉しく思います。
改善されればそれだけで腰が楽になることもあるでしょうが、それでも腰痛が良くならない、徐々に悪くなっている、といったことがありましたらぜひ一度ご相談くださいませ。
(監修:柔道整復師 山下 暢士)
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