こんにちは。大阪市中央区谷町六丁目にありますヤマシタ整骨院、院長の山下です。
今回は腰痛とマッサージの関係について書いておりますので、現在腰痛のお困りで定期的にマッサージを受けておられる方はぜひ最後までお読みください。
腰痛にはマッサージ⁉︎本当に効果のある治療法とは
痛みのある腰をもんでもらうと気持ちがいい！腰痛にはやっぱりマッサージがいいのか?
子供の頃、お父さんに「腰を踏んでくれ！」と言われた、そんな自分が大人になり腰が痛くなる度にマッサージに通っている。そういった方もおられるのではないでしょうか。
また、東急ハンズやロフト、家電量販店などでマッサージクッションやマッサージガンなどのマッサージグッズがたくさん売られています。
例えばマッサージクッションの広告を見ても、モデルさんが腰に当てて気持ちよさそうにしている写真が使われたりしていますよね。
世間一般ではそれくらい腰痛にはマッサージというイメージがついていると言えるのではないでしょうか。
では、実際のところマッサージで腰痛は良くなるのでしょうか。
結論から言うと、程度や原因によりけりといったところでしょうか。（漠然とした答えですみません。）
例えば、普段腰痛がない方がたまに行う長時間のデスクワークで腰にダルさやちょとしたコリを感じた程度であればマッサージをすることで血流が良くなり、筋肉がゆるんで楽になると思います。
しかし、痛みが強い腰痛の場合はマッサージでの改善はなかなか難しいでしょう。というのも、強い痛みがあるくらいなので筋肉が炎症を起こしている可能性があり、状態としてはかなりひどいと考えられます。
仮に筋肉に炎症症状がある場合、マッサージをすると余計に痛みがひどくなってしまいます。
また慢性的に腰痛がある方もマッサージだけで改善させることは容易ではありません。
なぜかというと、慢性腰痛の方の多くは単に筋肉が硬くなっているのではなく姿勢やストレス、長年の体の使い方のクセなどそのほかにも様々な要因が絡まりあって頑固な腰痛になってしまっていることが多いです。なのでコリや痛みの自覚がある部分をマッサージするだけでは良くならないのです。
痛いほどのマッサージでは腰痛がひどくなる場合も
痛みの強い腰にマッサージをすると余計にひどくなってしまう場合があると先述しましたが、これだけを見るとマッサージがよくないととられかねませんがそんなことはありません。
そもそも慰安やリラックスが目的なのであればとても良い効果が得られるでしょうし、軽めの腰痛くらいであれば十分に改善が見込まれます。
ここでご注意いただきたいのは、強い力でのマッサージです。マッサージは揉むだけではなく「押す」「叩く」などの手法がありますが問題になってくるのは”強さ”です。
強い力を加えるというのは体にとってみれば攻撃されているのと一緒なんです。
硬くなっている筋肉をマッサージされた際に自身の感覚として痛気持ちいいくらいであればいいのですが、単純に痛いだけの場合は筋肉の組織が破壊されている証拠です。
それだけでも体にとっては大ダメージなわけですが、その破壊された組織が回復する際に以前に加えられた力では負けないように強くなって再生されるのです。強くなると言えば聞こえはいいのですが、実際は以前より硬い筋肉になってしまうのです。
強刺激のマッサージを繰り返し行うと、どんどんと筋肉は硬くなってしまい、比例して腰痛もひどくなっていってしまうのです。
マッサージなしで腰痛改善！効果のある治療法とは
では、マッサージで改善しない腰痛にはどのような方法が適しているのでしょうか。
ここで考えなければいけないのは腰痛の原因です。どのような原因で腰痛になっているのかによって効果のある治療法は変わってきます。
治療法と書いていますが、場合によっては治療すら必要ないかもしれません。
治療の必要がない腰痛がどんなものかと言いますと、例えば強刺激のマッサージを受け続けてこられた方であればそれを止めることで良くなる場合があります。
前述の通り、強刺激のマッサージを繰り返し行うとことでどんどん筋肉が硬くなり、そのせいで腰痛もひどくなっていくのでこのパターンの方はマッサージ自体を止めることが腰痛改善へとつながるのです。
姿勢や体のバランスが悪いことで腰痛になっている方の場合であれば、それらを元の状態に戻していくことで腰痛が解消されますし、ストレスが原因であればその元を突き止めストレスを軽減したり解消されるようにしなければなりません。
このように腰痛の程度や原因によって対処法がまるっきり変わってきます。
なので効果のある治療法は〇〇！と言い切ることはとても難しいのです。原因を的確に見つけ、さらにその原因をしっかりと取り除く技術を持ち合わせている先生や治療家に診てもらうことが腰痛改善の1番の近道と言えるかもしれません。
マッサージで腰痛悪化!?痛いくらいの強刺激を求めすぎていた方が来院されました
人生初のギックリ腰をきっかけに慢性腰痛に
腰痛にお困りで来院された40代男性患者さまのMさん。Mさんのご近所さんが当院の患者さまで、その方からのご紹介でご連絡くださいました。
Mさんの腰痛は一回のギックリ腰から始まっていました。詳しくお話を伺うと、25〜26歳の時に、お仕事の最中に人生初めてのギックリ腰をやってしまったとのことです。
お勤め先は現在も変わっていません。今でこそ、管理職になりデスクワークが主だそうですが、20代は倉庫内での作業やルート営業などをされていたMさん。初めてのギックリ腰は倉庫内で起こりました。荷物を営業車に乗せようと、上体をひねりながら倒した際にグキッとやってしまったということでした。
その時は全く動けなくなり、同僚に病院まで連れていってもらったそうです。病院ではレントゲンを撮り、骨に異常はないとのことでコルセットと湿布、痛み止めを出してもらい様子を見てと言われたとのことでした。
病院に行った翌日から会社を数日間休み、ある程度動けるようになったら会社に出てきて、と結局時間薬で自然に良くなるのを待っていたような形だったみたいです。
Mさん曰く、その時のギックリ腰からことあるごとにギックリ腰になるし、普段から腰がだるくなる、痛くなる、こっている、いわゆる慢性腰痛の状態に陥ってしまったように感じるとおっしゃっていました。
マッサージに足繁く通うように
初めてのギックリ腰の時こそ病院に行かれたMさんですが、それ以降に足繁く行かれているのがマッサージとのこと。なぜかというと、大学時代にサッカーをされていたMさん、1年生の時は先輩の脚や腰などをマッサージさせられ、ご自身が上級生になったころは後輩にマッサージをしてもらっていたそうで、その時の記憶から腰がしんどくなったり痛くなってくるとマッサージに行くようになったとのことでした。
マッサージ屋さんでは、その時の腰の調子によって1時間のコースを選ばれる時もあれば45分や90分コースの時もあるそうです。マッサージを受ければ、気持ちいいし腰もしっかりとほぐれている感じもするそうです。
しかし、それでも相変わらずちょこちょことギックリ腰にはなるし、近頃ではマッサージに行く頻度も高くなっているとお感じになられ、別の選択肢を探されるようになった時にご近所さんから当院を紹介されたということでした。
重心のズレがあり筋肉もガチガチなMさん
そんなMさんのお体をチェックさせていただき、主に気になったのは二点。一点は体の重心のズレです。正面から見て体の真ん中に縦に一本線を引いたとすると、Mさんはその線から左側に重心が片寄っていました。
そして、もう一つが腰やお尻、太ももの裏の筋肉の硬さです。頻繁にマッサージに行かれていたとは思えないほどにガチガチでした。そこで、再度何点かお尋ねするとなぜ筋肉がガチガチなのかが判明しました。
原因は良かれと思って行っていたマッサージにあったのです。行きはじめのころこそ、気持ちいい程度の強さだったのがMさん自身が物足りなさを感じ、強くしてほしいとリクエストされるようになったそうです。ちなみにマッサージ屋さんに関して、いつも同じ店舗には行かれていたのですがやってもらう人は指名せずにいつもお任せだったとのこと。
そうすると、男性の時もあれば女性の時もあり、やり方もみなそれぞれ、力の具合もそれぞれだったそうで、そんな中前回力の強い人だったのにその次に行った時に弱い人に当たると、どうしても物足りなく感じたりするのでしょう。
なので、「もっと強く」とリクエストしたりしているうちにMさんの筋肉自体が強い刺激になれたこともあるでしょうし、強刺激によって筋肉が壊され、そののちに再生されての繰り返しでどんどんと硬くなっていったのではと考えられます。
マッサージに行かなくなってからはギックリ腰になってません
当院に来られる前からとりあえずマッサージには行かないとお考えになられていたみたいなので、その点はこちらからしても本当に助かりました。
もしMさんが当院での施術を受けながら、以前と変わらず強刺激のマッサージを受けられるおつもりだったら、心を鬼にしてマッサージを受けないようにしていただくようお伝えしなければいけないところでした。
Mさんにはなぜここまで筋肉がガチガチになってしまったのかをお伝えし、しっかりと納得いただくことができました。
結果的にマッサージを受けなくなったMさんの筋肉は、左重心を真ん中に戻すように行った整体施術と相まって徐々にではありますが、本来の柔軟さを取り戻していきました。強刺激マッサージ歴数ヶ月とかそういった浅いレベルではなくかなり年季の入った状態だったので、正直少し時間はかかりました。
その点は、最初にご本人にもお伝えし納得いただいた上で始めているので、そういった意味では時間はかかったとはいえとてもスムーズにいった事例ではないかと思っています。
当院に来られて以降、一回もマッサージには行かれていなMさんですが今のところギックリ腰にもなっていないので、やっぱり体にとって強すぎる刺激はよくないのだなと実感させられた次第です。
マッサージと整体、腰痛のあなたが受けるべきはどっち？
整体ってどんなの？
ウィキペディアによると、【整体とは主に手技を用いた民間療法、代替医療を指す。】と書いています。
“整体”の字からも分かるとおり体を整える手技です。そして、その手法が本当に色々とあるんです。
有名なものから聞いたことのある整体法、はたまた全く聞いたことのないものまで多岐に渡ります。
整えるところも様々で、筋肉を整えることを主としたものから骨盤や背骨などの骨格、また皮膚や神経、内臓に至るまで体のあらゆるところを整える整体法が存在するのです。
腰痛に対する整体の効果
先述したMさんにも整体を施したわけですが、腰痛に対する整体の効果とはいかがなものなのでしょうか。
もちろん患者さまにより腰痛の程度も違えば原因も違います。ですが、当院では皆さんに整体施術を行っています。
それぞれに原因は違えど、腰痛患者の皆さんに共通しているのは大なり小なり筋肉はこり固まっているし、そのせいで姿勢は悪くなり（姿勢が悪くなることで筋肉がこり固まる場合もあり）、硬くなった筋肉に引っ張られて骨格が乱れたりしている状況がみられます。
検査を行いそれらをあぶり出し、整体を行うことでどんどんと体は楽になっていくのです。
結局腰痛にはマッサージか整体、どちらがいいのか
整体をオススメします。これまでの僕の経験上、マッサージだけで腰痛が良くなる方の割合はとても少ないように思います。
というのも、現代人の腰痛は単に筋肉が疲れただけ、といった単純なものではなくあらゆる因子が絡まり合っていることが多くその場合、マッサージだけで対応するのは至難の技です。
ベストはあらゆる箇所や原因に対して整体を行える技術を持った先生のところで治療されるのがいいと思います。
骨格だけを整えるところより、骨格と筋肉、さらに神経も内臓も、といったように整体でアプローチできるところが多いほど色んなタイプの腰痛を良くすることができると言えます。
（監修：柔道整復師 山下 暢士）
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