低周波治療器は腰痛に効くのか?ヘルニアが治ったという事例も!

こんにちは。大阪市中央区谷町六丁目にあります、ヤマシタ整骨院院長の山下です。

 

今回は低周波治療器の腰痛への効果等について書いております。

 

家庭用の低周波治療器の購入を検討されている方もおられるかもしれませんが、まずその前に今回の内容をご覧になっていただければと思います。お時間のある時にぜひ最後までお読みくださいませ。

 

 

低周波治療器の腰痛への効果

低周波治療器とは

 

引用:OMRON https://store.healthcare.omron.co.jp/category/25/HV_F1200.html

低周波治療器は体に電気を流して治療を行う機器です。腰痛で整形外科や整骨院にかかった際に低周波治療器を当てられたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

電気治療の歴史としては古く、紀元前の時代に電気うなぎ的な放電する魚を使って、様々な治療を行っていたそうです。

 

低周波治療器の主な目的としては、筋肉や神経に電気刺激を与えて痛みの緩和や軽減、硬くなった筋肉をゆるめたり血行促進を図ります。

 

低周波というからには周波数が低いというのはわかりますが、では具体的にはどのような周波数帯の電気を使っているのでしょうか。ちなみに周波数の単位はHz(ヘルツ)です。1Hzは毎秒1回となります。

 

低周波治療器で主に使われる周波数帯は1〜200Hzの範囲です。中周波は1,000〜10,000Hz、高周波は10,000Hz以上の周波数と定義されています。

 

 

業務用と家庭用との違い

家庭用の低周波治療器をお持ちの方もおられると思いますが、整形外科や整骨院に置いてある機器とはどのような違いがあるのでしょうか。

 

まず、大きな違いとして電流量が挙げられます。家庭用では扱われるのが一般の方になるので、流れる電流が業務用に比べて低く制限されています。

 

そのほかの違いとしては、耐久性です。業務用では1日に使用する回数も多く、家庭用に比べ耐久性が高いです。また、腰や肩などの患部につけるパッドも、業務用では色々な種類があるのも特徴的です。

 

 

腰痛は良くなるのか

では、実際に低周波治療器を使用することで腰痛は改善するのでしょうか。

 

結論から言いますと、症状の緩和は望めると言ったところでしょうか。前述した低周波治療器の説明のところで、痛みを緩和・軽減したり血流を良くしたり〜、とお伝えしたので、使用し続けていたら腰痛は改善するのではと思われるかもしれません。

 

腰痛のそもそもの原因やその時のお体の状態、慢性度や程度などによっては、低周波治療器で改善することもあるでしょうが、多くの場合は効果があったとしても一過性で時間が経てばまた症状が戻ってしまうでしょう。

 

それはなぜかというと、腰痛の多くでみられる筋肉の硬さや血流の悪さはそもそもの原因が他にあって現れている症状なので、原因そのものが取り除かれない限りは根本的な改善には至らないということになります。

 

筋肉の硬さ、血流の悪さは不良姿勢や体のバランスの崩れから体の使い方が悪くなってしまって起こっていることが多いです。腰痛の原因がそういったところにある場合、いくら低周波治療器を使用して一時的に筋肉がゆるんだり血流が良くなったところですぐに戻ってしまいます。なので、症状の緩和は望めるといった言い回しになり、根本的解決とはいかないのです。

 

これは家庭用、業務用ともに言えることです。「業務用だったらそんなことはない。」とおっしゃる方もおられるかもしれませんが、多少出力が大きかったとしてもやはり姿勢やバランスを整えない限りは同じことが言えます。

 

家庭用の低周波治療器で腰痛が悪化!?してしまった50代男性

腰痛にお困りで来院された50代の男性患者さまのMさん。当院お近くの会社にお勤めの方で、会社近くで整骨院を探されていて当院にご連絡いただきました。

 

Mさんのお仕事はデスクワーク4割、出張や営業で出ていることが6割とのこと。腰痛自体は大学時代にラグビーで痛めて以来の30年ものだそうですが、今回当院に来られたのには訳がありました。

 

これまでもギックリ腰になったこともあれば、慢性腰痛がひどくなり車の乗り降りも一苦労するような時もあったそうです。そういった時にこれまでは、病院に行き痛み止めの薬をもらいときにはリハビリでストレッチやマッサージを受けておられたとのこと。

 

そんなMさんが今回はなぜ整骨院に来られたのかというと、理由は低周波治療器にあります。どういうことかと言うと、取引先の方との雑談の中でMさんの腰痛に対して先方が家庭用の低周波治療器をおすすめしてくれたそうです。勧めてくれたその方自身、肩こりや腰痛があり家庭用低周波治療器を愛用されているようで、毎日のように使っていてとても気持ちいい、というのを聞いたMさんはすぐに家電量販店に行き購入されました。

 

購入後、勧めてくれた方と同様、毎日にように使用されなんとなく腰痛もマシになっているように感じておられたそうです。購入当初はタイマー機能目一杯の15分で終えられていましたが、物足りなさと時間を長くした方が効きそうとの思いから一番強い設定で15分×3〜4回をやるようになったそうです。

 

そのように使用しだしてから数日が経った頃に腰痛が急激に悪化し、しばらく治療器の使用を控えても良くならなくて当院にご連絡いただいたという流れです。腰痛がひどい時はいつも病院を受診されているMさんが今回はそうされなかったのは、過去に病院でも電気治療器を当てられたことがあったそうで、今回低周波治療器のやり過ぎで痛めた自覚があったので敬遠されたみたいです。

 

実際問題、腰痛が悪化したのは低周波治療器のやり過ぎはもちろんあるでしょうし、もしかするとそのほかの要因も重なったのかもしれません。問診でお話を伺ったかぎりではそのような要因は見当たりませんでした。しかしながら、ストレスや冷え、デスクワークや運転中の姿勢、疲労の蓄積などが少なからず影響していることは考えられます。

 

初診時にお体を診させていただくと、やはり体のバランスが崩れており、股関節や背骨の動きが悪く腰やその周辺の筋肉に負担がかかっている状態でした。低周波治療器のやり過ぎで過剰に刺激を与えすぎてさらに腰の筋肉を痛めてしまっていることも否めません。今回はMさんご自身の腰痛を少しでも良くしたいと言う想いが少しばかり強かったというところでしょうか。

 

初回の問診や検査のあとに症状や治療の説明を行い、治療方針や方法にご納得いただいたうえで治療を進めていきました。痛めている筋肉に余計な刺激が加わらないように、整体にてバランスを整えていくことで股関節や背骨の動きが良くなっていき、体の動かし方が改善することで痛みに関しても早々に取れていきました。

 

デスクワークや運転をされる際に気をつけていただきたいことや、簡単にできるセルフケアなどもお伝えし今ではかなり痛めにくい体になっています。せっかく買った低周波治療器ですがお知り合いの方に譲られ、当院で月に1回のメンテナンス治療に来られています。

 

 

患者さまからのご質問。低周波治療器、ヘルニアには効くのか?

口コミで「ヘルニアが治った!」の声がたくさん

過去に患者さまから「家庭用の低周波治療器で(腰椎椎間板)ヘルニアは治りますか?」といった内容のご質問をされたことが何件かありました。質問されたお一人の患者さま曰く、低周波治療器のネット販売ページの口コミにヘルニアが治った、との記載が何件もあったとおっしゃっていました。

 

確かにそんな内容の口コミが何件もあれば、低周波治療器でヘルニアが治るものだと思いますよね。では、実際のところはどうなのでしょうか。

 

結論を言いますと、ヘルニアに関しても腰痛同様、症状は緩和したり軽減するかもしれませんが根本的に治るということは考えにくいです。またこの議論に関しては何をもって治るとするのか、というころも問題になってくるのではないでしょうか。

 

簡単に説明すると、腰椎椎間板ヘルニアは背骨腰部分の骨と骨との間にある椎間板(クッションの役割で腰にかかる力を分散させる)が飛び出して神経を圧迫し痛みやしびれが生じます。

 

要は飛び出たらダメな椎間板が飛び出している状態なわけですが、それが低周波治療器を当てることで元の位置に収まるのが治るというのか、はたまた元の位置に収まらなくてもいいから痛みやしびれが取れれば治るというのかで変わってきます。

 

口コミにある治ったというのはもしかすると、痛みやしびれが家庭用低周波治療器を使うことで取れた、という方からのものかもしれないですね。しかし、ヘルニアの根本的な治癒を飛び出た椎間板が元に戻ることだとするならば、低周波治療器で直すことは難しいと言えます。

 

当院の腰椎椎間板ヘルニアに対する考え方

前述した、腰椎椎間板ヘルニアの治癒は椎間板が元に戻ることとするならお前の院に行ったら元に戻してくれるのか?と言われるとそうではありません。

 

多くの患者さまが求めておられるのは、痛みやしびれが取れて日常生活やお仕事を快適に行いたいというところだと思います。なので、逆に言えば椎間板を元に戻せても痛みやしびれが全く取れていなければ患者さまからすると治ったとはならないですよね。

 

ですから、極論家庭用低周波治療器を使うことで腰椎椎間板ヘルニアの痛みやしびれがなくなればそれで全然いいわけです。椎間板が飛び出ているからといって必ずしも痛みやしびれが出るわけではない、との最新の研究結果もあるくらいですから、当院でも椎間板が出ている出ていないではなく症状をしっかりと取り除き日々の生活を痛みや不都合なく過ごしていただくことを目的に施術を行なっております。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。家庭用、業務用に限らず低周波治療器のみで腰痛を改善させることは難しいと考えています。とは言え、家庭用低周波治療器で治りました、という方が全くいないかというともしかするとおられるかもしれません。

 

そういう方は、腰痛改善の意識が高いわけですからお風呂につかるようにした、積極的に温めた、運動も取り入れた、と低周波治療器と並行して色々と努力されていたのかもしれません。

 

現在、家庭用の低周波治療器を使用されていても思うように腰痛が改善していないようなら姿勢やバランスの崩れ、体のゆがみが原因かもしれません。

 

そんな場合はぜひ一度当院にご相談くださいませ。

 

(監修:柔道整復師 山下 暢士)

 


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