こんにちは。大阪市中央区谷町六丁目にあります、ヤマシタ整骨院院長の山下です。
今回は肩こりと枕について書いております。肩こり改善のために色々と取り組まれていてもなかなか良くならない場合は、もしかすると枕が合っていないのかもしれません。
肩こりがあり、ご自身の使用している枕が合っているのかどうかわからないという方はぜひ最後までご覧くださいませ。
肩こりと枕の関係性
枕次第で肩こりがひどくなることも
肩こりにお悩みの方で、朝起きた瞬間から肩や首のこりを感じたり、これまでしっくりくる枕がなくて何個も買って試したり、お値段お高めのオーダー枕を作ったりされたことのある方もおられるのではないでしょうか。
肩こりのない方からすると枕なんてなんでも一緒なんじゃないかと思われるかもしれませんし、確かに枕一つで肩こりが全て解決するなんてことはそうそうありません。しかし、合っていない枕を使い続けることで肩こりになることはありますし、枕を替えることで良くなることもあります。
では、肩こりの方にとって良い枕、悪い枕とはどんなものなのでしょう。
肩こりにとって悪い枕とは
まず、悪い枕からみていきましょう。
結論から言いますと、寝返りが打ちにくい枕が悪い枕です。マットレスの選び方を書いたブログでもお伝えしましたが、枕に関しても寝返りが打ちにくいものだと、同じ寝姿勢が長時間続くので血行が悪くなり筋肉は硬くなってしまいます。
じっと寝ているほうが眠りが深くて疲れが取れそうに思われる方もおられるかもしれませんが、寝返りをすることで血液の循環を促したり、筋肉の緊張を取り除いたりする効果があるのです。
なので、枕にしてもマットレスにしても寝返りが打ちにくいものだと肩や首のこり、腰痛などが悪化してしまう要因の一つになってしまいます。
寝返りが打ちにくい枕が悪い枕だとお伝えしましたが、具体的にはどんな枕がそれに該当するのでしょうか。
・仰向けで寝た際に、首部分が高くて後頭部が低くなっている枕
一見、首や肩は楽そうです。しかし、仰向けの時にはフィットしていてもこういう形状の枕だとフィットしているが故に寝返りが打ちにくくなります。寝返りしたとしても、横向きになった時には合わなくなってしまい首や肩がツラいです。
・頭を乗せた際に、極端に真ん中がへこんで、両サイドが盛り上がるような枕
ある程度ボリュームのある枕で中の素材が動きやすかったり柔らかすぎると、頭部分だけが深く沈み込んでしまうので、寝返りが打ちにくくなってしまいます。
・硬くて高さがある枕
時代劇に出てくる武士やお殿様が使っている箱枕のイメージです。箱枕は15cm〜20cmの高さだそうですが、高すぎると寝返り云々の前に頭だけ高くなり首や肩にかなりの負担がかかってしまいます。
・体に合っていない枕
極端に言えば、大人が子供用の低くて小さい枕を使えば寝返りした際に頭が枕からはみ出してしまうでしょう。高さや大きさ、柔らかさは体格や体型によって変える必要があります。
上記のような枕だと寝返りが打ちにくくなってしまうので、肩こりの改善はもちろんのこと体自体の回復を阻害してしまうことにつながります。
肩こりとって良い枕とは
では、良い枕とはどんなものなのでしょうか。
先にお伝えしておくと、体格や体型が人それぞれ違うので、良い枕とは縦◯センチ×横◯センチ×高さ◯センチで中の素材はこれで、硬さが◯kgf/mm2でこういう形の枕です、とバチっと示すことは残念ながらできません。
身長2mで筋骨隆々の男性と150cmで細身の女性、この二人が同じ枕を使用して二人ともがバッチリフィットするなんてことは考えにくいですよね。
要は人それぞれ、自分の体格や体型に合っており寝返りがしやすい枕が最良の枕になるわけです。
そのためのチェックポイントは以下の通りです。
・適度な柔らかさがあり、頭を乗せた際に頭や首の形・カーブにフィットしているか
・頭を乗せた際に敷布団と首や肩の間に隙間ができていないか
・中の素材が移動しやすく前後左右に偏ったりしないか
・寝返りした際に頭が枕から落ちてしまわないほどの横幅はあるか
・高さがありすぎて頭を乗せた際に肩や背中が浮いたりしていないか
上記の5項目をクリアできている枕で寝ている分には肩や首のこりが枕が原因でひどくなることはないでしょう。また、睡眠の質も向上し肩こりの改善や疲労の回復にもつながるかと思います。
もしも今お使いの枕が悪い枕の4項目に当てはまる方は、良い枕の5項目を参考にしていただきご自分にぴったりの枕を見つけていただけると睡眠の質が上がり肩こりも改善へと向かう可能性があります。
肩こりがなかなか良くならないのは枕のせい!?枕を替えたらみるみる良くなった40代女性
社会人になり肩こりや頭痛が悪化
ひどい肩こりにお悩みの40代の女性患者さまNさん。患者さまからのご紹介で来院されました。
会社員のNさんはお仕事のほとんどがデスクワークです。肩こりは大学生の頃からあったそうですが、社会人になってからどんどんとひどくなっているように感じておられるとのことでした。
症状は肩こりだけでなく、首のこりや頭痛も頻繁に起こるそうで、お仕事に支障が出るくらいにツラい時には痛み止めの薬を飲まれるそうです。そんな生活を長年続けているせいか、薬の効き目も悪くなっているように感じているとのことでした。
肩こりがひどい時はマッサージや病院、整骨院へ
これまでも肩こりや頭痛がひどい時には、マッサージや病院、整骨院に行かれていた時があったそうですが、どこも思ったような結果は得られなかったとのこと。それぞれでどんなことをしてもらったのかを伺うと、マッサージ店では60分や90分のコースで背中から上を中心に揉んでもらい、やってもらっている時は気持ちいいし楽になったような気がするけど、結局すぐに戻ってしまっていたそうです。
整形外科に行かれた時には、シップや痛み止めの薬を貰うもそれだけではよくならなかったので、リハビリ室で首の牽引やストレッチやマッサージをしてもらっていたこともあったそうです。しかし、それでも良くならなくて途中で行かなくなってしまったとおっしゃっていました。
整骨院に関しても、過去に数件行かれたそうです。Nさん自身も明確に覚えておられない様子でしたが、先生と合わない、電気治療とマッサージだけのところだった、若い先生ばかりでしかも毎回やる人が変わった、とどこも肩こりが改善されるとは思えなかったとのことでした。
Nさんにとっていい思い出のない整骨院ですが、お友達である当院の患者さまがNさんにオススメしてくださり今回の来院に至りました。
猫背が元で肩こりや頭痛が
ひとしきりお話をお伺いした後に検査のためお体を診させていただきました。Nさんはいわゆる猫背姿勢で、背中は丸くなり首は前に傾き頭が突き出した状態でした。姿勢に関しては、ご自身でもある程度自覚されており仕事中に丸くならないように気をつけたり、ご自宅でYoutubeで姿勢改善のストレッチなどを検索されて実践されたりしているそうです。
それはそれで続けていただくとして、当院では猫背姿勢を改善するべく治療を行なっていきました。Nさんの場合は、骨盤も後ろに傾いており腰から背中や肩にかけて全体的に丸くなっており、それに伴って血流は悪くなり体後面の筋肉は過度に引き伸ばされ硬くなっています。
この状態ではいくらマッサージやストレッチをしたり、首を牽引しても良くならないのは納得です。姿勢改善のために整体治療にて骨盤が後ろに傾いているのを戻し、背骨の調整も行っていきました。
骨盤と背骨が本来の正しい状態に戻れば、体後面の筋肉も自ずとゆるんでいきます。とは言え、ある程度の月日をかけて徐々に猫背の度合いが強くなっていきそれが固定化されてしまっているので、1回の施術でハイOKとはいきません。
なぜか戻ってしまう姿勢は枕が原因
その辺りはご本人にもお伝えしご納得いただいたうえで、当初に立てた治療計画に沿って進めていきました。毎回、施術後は姿勢のビフォーアフターが一目瞭然でわかるほどに改善しているのですが、次こられた際はなぜか戻っていることが続きました。
最初の頃はある程度、姿勢の戻りも起こることはあるのですが回数を重ねればそれもなくなっていくのが大体の流れなんです。ですが、Nさんはそうではなかったのでなにかがあると思い、色々とお話を聞かせていただきました。その中で、判明したのが枕でした。
Nさんがお使いの枕、写真を撮ってきていただき見せてもらうと、明らかに高さが高くお話を伺う限りでは素材も固めの枕だそうです。もともと猫背のNさんは高くて固い枕を使うことで首や肩が浮き、就寝中も猫背のような状態を作り出していた模様。
Nさんになぜそのような枕を使っておられるのかを伺うと、昔から高くて固めの枕が好きだそうです。合っている合っていないは別として、ご自身の好みで長年使い続けてこられたようです。
デパートでnew枕購入
お好みであれば使い続けてください、と言いたいところですがこれに関してはどうしても変更していただく必要がある旨をお伝えし枕を買い替えていただきました。どのような枕がいいかアドバイスさせていただき、それを参考にデパートで購入されたそうです。
案の定、枕を替えてからは姿勢の戻りもなく順調に改善していきさらには頭痛も起こらなくなり、Nさんも驚かれていました。まさかご自身の好みで使っていた枕が改善を阻害しているとは露ほども思っておられなかったようですが、とにかく枕のことを突き止められてこちらとしても良かったです。
好みの高くて固い枕を替えて、ちゃんと寝られているか心配でしたが逆に以前より熟睡できているそうで肩こりや頭痛だけでなく体全体の健康レベルが上がっていることでしょう。
枕を買い替える前にできる肩こり対策
タオル枕を試してみよう!
枕のお値段もピンキリですが、「少しでも肩こりに良さそうなものを!」となるとお高いものを購入される方もおられるかもしれません。売り場で試し寝した時はすごくフィットしているように思っても、いざ自宅で使いだすと合わなかったりすることも珍しくありません。
そうなると、せっかく高いお金を払って買ったのに、と後悔してしまいますよね。そうならないように、まず試してみていただきたいことがあります。それがタオル枕です。
どうするのかというと、ご自宅にあるバスタオルで手作り枕を作るのです。作り方はとても簡単。
・現在お使いの枕の縦と横の長さが同じくらいになるようにバスタオルを折りたたみます。
・その大きさのバスタオルを数枚用意し重ねていきます。
・ある程度、高さが出たところで実際に寝てみます。
・寝たときに頭や首、肩あたりにフィットするようにバスタオルの枚数を増減して調節します。
・仰向けだけでなく、横向きになってみておでこ〜鼻〜アゴのラインが敷布団(マットレス)と平行になる高さであればおおよそ合っています。
実際に枚数を調整してみて、肩や首がしっかりとリラックスできているかを確認してみてください。この方法ならば、気軽に高さの調整が可能となります。固さに関しても、バスタオルを数枚重ねることで程よい感じになると思いますが、もう少し固さがあったほうが自分は合っているという場合は、玄関マットのように分厚く織ったものを間に挟むことで固さを出せるので試してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。これを使っておけば間違いない、というようなものがなかなかない枕ですが、快適な睡眠を得るうえでもとても重要なアイテムです。
Nさんのように「昔から使っているから」とか「高さや固さが好みだから」と使っておられてもそれがご自身に合っているのかどうかはまた別のお話です。
今使っている枕が合っていないような気がする、朝起きた時から肩がこっている、合っていない感じはないけど合っているかどうかもわからない、こういった方は今回の内容を参考にしていただき、まずは枕のチェックからやっていただければいいのではないかと思います。
枕は合っている、合っていなかったから替えた、それでも肩や首のこりがおつらい場合は、他の原因が考えられるので信頼のできる病院や治療院に相談されるのがいいでしょう。もちろん当院でも診させていただきますので、ぜひご相談くださいませ。
(柔道整復師:山下 暢士)
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